2017/06/08

【不定期連載】なぽにゃん楽器小話【マウスピースあれこれ・リム編】

前回のマウスピースメーカー個人的感想記事はいかがでしたでしょうか。
どうも、なぽにゃんです。

今回はマウスピースとはなんぞや、という話は割愛して、それぞれの部位に絞って話していこうかと。
・マウスピースの部位っていろいろあるけどどう見たらええんや?
・それぞれの部位のスペックってどういうもんなんや?
っていう疑問に、ヒントを与えられればなぁ、と。
いつもの如く主観で好き勝手語ります。
これは間違ってるとかそういうのは自分の頭の中で排除しながら読んでね!


では、それぞれの部位については以下に示します。
著作権のアレやソレ考えてフォトショで急造したので出来は察して。
これでもパスを駆使して頑張った方ですよ…

1:リム
2:カップ
3:スロート
4:バックボア
5:シャンク(画像に番号起こし忘れたけど楽器に刺さるところ)

こんな感じ。今日は1のリムに関して掘り下げます。

それぞれ部位は
1.1:リム内径
1.2:リムバイト
1.3:リム厚さ
1.4:リムカンター
といいます。以下詳細。

1.1:リム内径
Bach系表記、7Cの7の部分、ヤマハ/Schilke系表記11C4の11の部分がリム内径を表します。独自の表記法採用してても殆どのメーカーは数字部分がリム内径を示します。前回紹介したIrving R Bushは英字がリム内径というイレギュラーな表記もあったりはしますが。
Bach系は数字の大きさに反比例、ヤマハ/Schilke系は数字の大きさに比例して内径が大きくなります。
多分マウスピース選ぶにあたって一番気にするのここなんじゃないかなって思います。
一般に、
・リム内径が大きくなれば柔軟性に富み、スタミナ・ハイノート面はつらくなる。
・逆に小さくなれば柔軟性は落ちるが、スタミナ・ハイノート面で有利。
・上級者ほど内径が大きいものを好む。
とか言われたりしますが、ある程度そういう傾向はあるものの、実際のところその人の歯並び、唇の厚さ、演奏ジャンル、マウスピースに求める要素など様々な要因で変わってくる部分です。合わないリムでは当然柔軟性に難は出るしスタミナはもたないしハイノートも碌に出ない。
世の中Bach 1-1/2C信仰なんてものがありますが、1-1/2という非常に大きな内径が誰にでも合うわけではない、というのが私の意見です。
適合するプレーヤーならともかく、それ以外のプレーヤーが無理して使うことは私はおすすめしないです。大は小を兼ねない。
さて、この内径の数字、同じ品番あるいはメーカー公称寸法が一緒なら体感サイズも同じか、というとそうでもないです。
そもそも計測の仕方がメーカーで違いますし、後述のリムに関する他項目の設計、今後の連載で書くカップでも体感が変わってくるので、選ぶ際には数字だけに囚われず、目安程度に考えるようにしてくださいね。
同じ7C表記、7C互換サイズのマウスピースでもメーカーが変わるとサイズの体感も変わるとかよくある話で。
ちなみに私は7C相当品番が一番扱いやすいです。

1.2:リムバイト
リムとカップの境目のエッジ部分。
口に当てた際の体感を左右する大きな要素の一つかなぁ、と思います。
リムバイトの鋭いものは発音がはっきりしますが、疲れやすくなり、リムバイトの緩いものはその逆、という説が一般的なようです。
最近売ってるマウスピースは割とリムバイトの鋭いものが多いように感じます。
Bach、ヤマハ、GRの標準品番、S.E.Shiresは鋭いような印象があります。
ベストブラス、BobReevesあたりは現行で比較的緩めな方でしょうか。
その昔あったFBLなんかはかなりリムバイトが緩いマウスピースで独特の感触ですね。
私はリムバイトの緩めなマウスピースじゃないとスタミナ的に即死します。

1.3:リム厚さ
円周部分の厚さ。
具体的にマウスピース品番に表記されることはあまりないが、Bach 11CWのWが幅広リムを示すなど、たまに表記されることも。
厚い方が持久力に富むが柔軟性に欠ける、薄ければ真逆、とは言うがこれも結局は合う合わないの問題。
同じカップやリム内径でリム厚さを変えたマウスピースってBachのW系だとかFratePrecisionくらいしか思い浮かばないので、選ぶに当たって積極的に厚さをどうこう、ってする必要はあまりないと思います。

1.4:リムカンター
リムの唇に触れる面の形状。ヤマハ/Schilke系品番の11C4の4の部分で示すことがあるらしいですが、これもここ単体でスペック変えてるマウスピースってあんまないと思います。
平坦なもの、丸みを帯びたものがありますが、その形状だけでなく、丸みの頂点の位置(円周の外側寄りか内側寄りか)などでも感触は変わります。
別に積極的にこれも意識して選ぶ必要はないと思います。
GRのWeyne Bergeronモデルがめっちゃ平面なリムだったと記憶してます。
お店で置いてあったら見てみると楽しいかもしれませんよ(

一通りリムについて説明しましたが、
選ぶにあたってどう選べばいいの?と問われれば、
敢えて言おう。
「口に当てた感触で選べ。スペックは気にすんな」
と!!
散々語っておいてそれかよ、っていう感じですが、正直これが一番いいと思います。
マウスピースを選ぶにあたって、リムを口に当てた感触の合わないマウスピースはその他のスペックをどういじろうが合わないと思います。
アメリカのマウスピース職人、Bob Reeves氏は
「まずは自分の好きなリムを見つけ、その上で演奏ジャンルやプレイスタイルに応じたカップなどを決めるべし(超意訳」
と言っていますし、私も同意見です。

じゃあそのリムどうやって決めるんや、という話で、一つ分かりやすいのは、
「Bachで1-1/2~10-1/2の内径一通り並べてもらってブラインドテストからスタート」
という手法かなぁと。
ブラインドテスト、というのが重要で、数字見てしまうと数字で頭の中にバイアスかかって、体感でベストなものを選ぶ、ってのが難しくなるからですね。
ここでなんでBachなんや?って思われる方もいますが、これについては、楽器屋だいたいどこでもBachなら一通り揃えてるし、楽器屋もBach基準で見ているから、スペックが近いものを出してもらいやすい、というのが理由です。
Bachで一通り試して、リムの目安が決まったら、そのスペックに近いマウスピースをいくつか出してもらって、出してもらった中からさらに合うものを選んで、の繰り返しをするわけです。
この繰り返しをして、いろんなマウスピースを比較検討して自分に適合すると思われるマウスピースを見つけていきます。
合うメーカーを見つけて、合う一本を選んだら、その隣接内径サイズを出してもらってもいいかもしれませんね。

長くなりましたので今回はこの辺で。次はカップに関して書いていきますね。

何か質問とかあればコメントに残していただければ次回、質問とともに回答を掲載させていただきます。

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