2017/05/22

【不定期連載】なぽにゃん楽器小話【マウスピースメーカー編】

ご無沙汰していますね。なぽにゃんです。

ちょいととある有名な方のトランペットマウスピース記事に触発されて、自分も書いてみようかと。
向こうと違ってしっかりしたこと書けないけどね。

第一回はついったぁでアンケート取った結果、メーカーのお話ということになりました。
自分が吹いたことあるメーカーを思い出しながらつらつらと主観で語っていこうと思いますね。主観で。…主観ですからね。とっても大事なことなので3回言いましたよ。
自分がメインで使ってたマウスピースや印象の深いマウスピースは長く書いてるけど、そうじゃなものは察してください。
あと画像はいろいろ引用がアレやソレなので用意してません。ごめんね。


1.ヤマハ
言わずと知れた国内最大手。
しかし周り見渡してみると、上位モデル標準の14B4、エリック宮城シグネチャーモデルのEMシリーズを除くと案外ユーザーがいない。
標準ラインナップは安く手に入る、どこでも買えるのがポイント高い。至って普通なUカップマウスピースが殆どで、音も普通。
14B4がYTR-800を買ったときついてきたが、さっぱり合わなかった。

2.Bach
Vincent Bach。説明不要。ラッパの代名詞。というわけにもいかないので。
Bachが良い悪いとかではなく、これと比べてどうか、という判断をされることが殆どなのでは。
店で在庫してるかはともかく実は変なラインナップもある。まず見かけないが。
いろんなところで推されるが、現代において他にも沢山選択肢がある中、そこまで絶対唯一の選択肢かと問われると疑問が残る。
特にBach 1-1/2C原理主義みたいな考え方があるようなのだけど、こんな内径の大きいマウスピースを誰でも使えるか、って問われると甚だ疑問。
口周りの体の作りは千差万別なので、誰彼構わずBach 1-1/2Cを吹け、というのはやめてほしい。プレーヤーを潰しかねないので。
余談だが、ヴィンテージBachを使うならヴィンテージマウスピースも探すべし。

3.Schilke
みんなの憧れ高級楽器メーカー、だがマウスピースは普通なお値段。
割と優等生な印象。綺麗に鳴ってくれる。
ヤマハやBachとはリムの設計が異なるように感じるので、ヤマハBachが合わないなら一度試してみるとよいのでは。
ただし置いてる店は実はそこまで多くない気がする。
ちなみに、ヤマハはかつてSchilkeをベースに楽器を作っていた時期があり、そのときの名残か、ヤマハのマウスピースの型番の付け方はSchilke方式準拠である。

4.Stork
一時期は比較的有名だった気がするが、今はそこまででもない。
そつなく何でも使えて、よく鳴ってくれる。
吹奏楽でもオケでも使えるのでおすすめしたいのだが、最近は手に入りにくいのがネック。
高校の頃3Bを買って金メッキにして使っていた。今でも時々下吹き特化しなければならないときは使うことがある。

5.Stomvi
スペインのメーカー。最近進化が著しい。
はっきり華やかに鳴る。お値段もそこまで高くはない。
もっと普及していいのでは、と思うメーカーの一つ。
リム、カップ、ボディの組み替えが可能なモデルが存在する。が、そんなに組み替えるもんなんですかね…

6.JK
JKのマウスピース!JKのマウスピースですよ!?ロマン溢れるよね!?
というのはさておき、ドイツのマウスピースメーカー。
あんまし触る機会は多くなくてちょっと印象が薄め。
汎用性の高いメーカー。これも割とどうとでも使える。くらいの認識。

7.NY Classic
かつて存在したGiardinelliの復刻モデル、なのだが、ヴィンテージGiardinelliには及ばない、と評されることが多い。
Giardinelliは評価が高いのだが、その評価と比較すると、確かにあまり鳴らない印象。音もなんとなく軽薄。
ラインナップは幅広く、Uカップ・Vカップそれぞれ浅いものから深いものまで各リムのサイズでラインナップがあるので、選択肢の広さは魅力か。

8.Monette
超高級マウスピース筆頭。
他社とそもそも設計思想がまるで異なる。具体的には全長が短く、スロート(ドリルとも、カップの中の穴)が太いものが多い。
吹き込み量の多い人には向く。パワー型プレーヤーに。
音色も独特で分厚いように思える。
ラインナップは多いには多いのだが、国内でまとまった数の種類を試せることはほぼない。あと型番の付け方がまだよくわからない。
既存の普通のマウスピースとは考え方が全く異なるので合う合わないははっきりしそう。お財布に余裕があれば検討の余地あり。

9.ベストブラス
国産メーカー。高級な部類(2万弱)。トランペット用の見た目がチャラいが、吹いてみると至って普通。
ただし、軽い楽器とは相性が悪いことが多いように感じる。6310Zあたりにつけてぶっ放すと楽器が悲鳴を上げるかも。
ここも独自の理論で作っており、現行主要モデルのGrooveシリーズの特徴としてはやや太めのスロート、スロート内側の波打ち(Groove)加工、Vカップ寄りのカップ、カップ設計に応じたモデルごと個別の全長。
特にVカップは現代においては少数派なので、合わない人は合わない。
リムは口当たりがよく、疲れにくい印象。
吹いてみれば器用だし、パワーもしっかり出る、音色的にもよく飛ぶし目立つので優秀。試す価値はある。
最近出た改はリムに特殊な加工を施したもので、好き嫌いがものすごく分かれそう。人によってはさっぱり使い物にならない可能性がある。
個人的に気に入ってるメーカーの一つ。最近までメインマウスピースはここの7Cだった。
特注対応もしてくれるので、欲しい仕様が明確に決まっているならオーダーも手。

10.アイルリッヒ
国産ハンドメイドメーカー。
クラシック向きか。はっきりとしたクリアな音が出る。
既製品モデルもあるが、フルオーダーにも対応してくれるらしい。

11.Jun's Renaissance Brassworks
国産ハンドメイドメーカー。
価格下限が2万強、上は4万オーバーと超高級なものも。
完全なクラシック特化。ものすごく明確なイントネーションと恐ろしいほどクリアなサウンドが特徴。
内径が大きい(ピッコロ用を除けばBach 3か2以上の内径)ラインナップしかなく、息の消費量が上位モデルになるにしたがってえげつないことになることから、上級者向け。
クラシック系奏者なら一度試す価値はある。
逆にポップス系には、音色があまりにも上品すぎるので不向きか。

12.GR
一部では有名。明るく、輪郭の明確な、極めて現代的サウンドが特徴。
Wayne Bergeronが使用中。エリック宮城も最近使い始めたようで、シグネチャーモデルが出るらしい。
クラシック系でもプロ奏者で使う人はいるようだし、どんなジャンルでもいけるとは思うが、個人的にはポップス系のイメージがある。
浅めのカップでリード系の吹きやすい楽器につけるとギャンギャンいって楽しいと思うので、そういう楽しみ方をしたい人は一度どうぞ。
型番の付け方が独自で、7系=64として、内径は数値の大きさに比例する。

13.Bob Reeves
アメリカのマウスピースメーカー。最近トロンボーン用も作り始めた。
どちらかというとポップス系に利用者は多い。気がする。
明るく、よく抜ける割と派手めなサウンド。
しかし別にポップスでしか使えないということはなく、モデル次第では幅広く扱える。
口当たりのよいリム、カップやバックボアの選択肢の幅広さが特徴だが、店頭で吹けるモデルはある程度限定される。
スリーブシステムという独自の機能を持つモデルがあり、シャンク外側部分をスリーブとして交換することで、マウスピースの楽器への刺さりの深さを変えることができる。
このスリーブシステムを採用したモデルの場合、スリーブの交換により同一のマウスピースを様々な楽器で使い回しやすくなる。
また、スリーブの交換でより自分に合うセットアップを突き詰めることが可能。
こちらも個人的にお気に入りのメーカー。現在主力はここのMS41S。
読者諸氏におかれましては、一度試して欲しいメーカーの一つ。高い(主力モデル2.5万)が、それだけの価値はある。
こちらも型番は独自で、7系=41、内径は数値の大きさに比例。

14.Purviance
13のBob Reevesと分けるか迷ったけど一応分ける。
かつて存在したメーカーだが、その設計を引き継いで現在はBob Reevesが作っている。
13のBob Reevesとはキャラクターが異なり、ポップスのリード系特化という印象を受ける。
ヴィンテージのPurviance比較で劣るとかの話はあまり耳にしない。
Purvianceの弟子がBob Reevesなので、うまく引き継いでいるのかもしれない。
型番の付け方が独特でこいつは分からない。

15.Irving R Bush
昔有名だったらしいが、しばらく入ってこなくなり、最近になって再び流通がされるようになった。とは某楽器店の某Y氏談。
不思議と組み合わせる楽器を選ばないモデルであり、どんなジャンルにも違和感なく対応できる汎用型。おそらく汎用性では随一か。
ただしサイズラインナップにやや癖があり、Bach7相当のサイズがない。メーカー公称上7相当なものが5相当。
サイズ的に適合するならば、クラシックからポップスまで幅広く扱う吹奏楽系プレーヤーなら一度試して欲しい。
型番の付け方が一般メーカーと逆で、アルファベットがリム内径、数字が深さという付け方(W-2など)なもんでわかりにくい。

16.Frate Precision
最近出てきたイタリアのメーカー。お高い。
サウンドの性格としては先述のJun'sに近いが、Jun'sよりはポップスも対応できるし、サイズラインナップは内径の小さいものもある。
吹き込む息の量が多いクラシック寄りのプレーヤーに。
取扱店が相当限定されるのがネックか?
調べたらすごくラインナップは幅広いらしい。内径、深さ、リム形状、スロート太さ、バックボアの組み合わせがいっぱいある。

17.S.E.Shires
楽器の評価が高いラッパボーン専業メーカーだが、マウスピースもある。
およそBachの上位互換だがクラシック寄りの印象。
1.25C、1.5C、3C、5C、7Cのみのラインナップ。
リム内側のエッジが他メーカーより鋭いかもしれない。その分イントネーションははっきりするが、人によっては疲れやすく感じるかも。個人的にはすごく疲れる。
でも音はいい。

メーカー並べて主観で頭悪く語るだけでこんなに長くなったよ。どうしてくれるんだ。

次回!マウスピースの選び方!時期未定!

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