2011/06/01

MDR-EX800STを試す

先日、地元に帰っていて、仙台行きのバスの中、我が愛機にしてSONYの名機、MDR-EX90SLの調子が悪いことに気づいたのだが、仙台から東京に戻る新幹線の中で使おうとしたら…音が鳴らない!右側死んだ!!
5年目にしてEX90SLがお亡くなりになった。

さて、6/3に大阪行きの用事もあるので、このとき音楽聞けないとか暇で発狂しかねないので、SONYのサービスセンターに修理に持って行ったら、修理じゃなくて交換になるとか言われ、定価の半額でEX500SLに交換できます、とか言われた。
後継とは名ばかりで、90SLに遠く及ばない500SLなんかに変える気はない。
ふざけんじゃねー、というわけでその憂さ晴らしもかねてSONYの新型イヤホン、MDR-EX800STを買うことにした。


前回のBELDEN 8412でシールドを作るでパーツを手に入れたラジオ会館のトモカ電気へ再びGO。

MDR-EX800STとは、スタジオモニターヘッドホンの名機としても名高いSONY MDR-CD900STに並ぶステージモニターイヤホンを目指して作られたプロフェッショナルモデルのイヤホンである。
設計思想的にはラージモニタースピーカーの音を目標にした、とのこと。
SONYと、SONY MUSICの技術の粋を極めたイヤホンとも言える。
ドライバーユニットはイヤホンとして驚愕のモンスターサイズ、16mm。
これは期待が高まる。

というわけで買ってきました。
21000円。正直かなり安い部類に入ると思うよトモカさん。さすが秋葉原ぱねぇ。


業務用なので白箱。MDR-EX600とかみたいなかっこいいパッケージでも何でもなく、何の飾り気もない白箱。
箱の左下に書いてあるが、こいつは業務用製品なので通常の一年保証がない。なので壊れたら壊れた時期に関係なく有償修理になる。つってもイヤホンはどうせ交換されるだけだがね。
余談だが、MDR-CD900STも白箱である。あれも業務用だからな。


開けてみた。本体と、SとLのイヤーピースと、ケースが入っている。特に説明書の類は入っていない。
もうここまでくると潔いね。かっこいいわ。
マニュアルはMDR-EX800STのサイトからダウンロードできる。ただし、SONYのサイトにこれの製品情報はなく、SONY Music Communicationsのサイトに製品情報があるので注意だ。

ここでNikon P6000にカメラをチェンジ。


製品写真。安っぽいでもなく。だからといって高級感溢れるわけでもなく。
実に必要十分。無駄はない。


右側アップ。赤でRと書かれ、マーキングされている。反対側は青でL、青マーキングだ。SONYのモニターシリーズらしい配色。
そしてJAPAN MDR-EX800STと書かれている。
どうやら国産のようだ。
世の中Made in ChinaだのMade in Thailandだのというイヤホンが溢れる中、国産機である。
別に海外産叩きをする気は全くないけど、でも国産ってうれしいよね。


ケーブルは実は取り外すことが出来る。このテの高級イヤホンでケーブルが取り外せるのはおいしい。
断線しても安心だ。同系統の設計を持つMDR-EX600とMDR-EX1000も同様に取り外すことが出来る。
600と1000はケーブルのネジ部分がプラらしいが、こいつは金属である。
ステージユースを想定し、強度を重視した結果と言えるか。


本体だけ。本体側のケーブル固定リングも金属である。ステージ上でのトラブル時に交換することを想定し、これも強度を意識した設計のようだ。プラだと荒っぽいことすると割れるしな。


取り付けるの図。ケーブルの方向は考えなくとも1方向にしか刺さらないので気にしなくて良い。
ネジはしっかり締めること。


ケースの写真。EX90SLのような皮ケースではなく、いわゆる電子辞書ケース的な質感のケースだ。


中身。両サイドにポケットがあり、そこにそれぞれ左右の本体を入れる。
そしてケーブルを纏めてチャックを閉める感じ。


しまってみたの図。たぶんこういう使い方。

さて、肝心の音だが、MDR-EX90SLとは系統の違う音だ。アレのような透き通った音が鳴るわけではない。
ただ、分解能は半端じゃないようで、楽器一つ一つの音はよく聞こえる。16mmドライバというSONYの狂気の産物の賜であろうか。さすがモニター。
ただ、決してフラットというわけではなく、ちょいと低音寄りである。ミキシングには注意が必要か。そもそもスタジオモニターじゃないからそういった用途はおそらく想定していないのかも。
耳コピなんかにはその性能が発揮できると思われる。分解能の高さ故というやつだ。
そして、これはSONYのEXシリーズイヤホン全般に言えることだが、カナル式特有の耳栓感(?)が少ない。寸詰まった音ではなく、比較的広がりを持った音で聞こえる。
ただし、それは遮音性と音漏れ性能とのトレードオフであることには注意したい。周囲の音は当然聞こえるし、音漏れもある。ただ、音漏れについてはよほど爆音じゃないと問題ないような気もする。故EX90SLも音漏れに関してはカナル式とは思えないほどするタイプで有名だったが、これについて俺が使ってるときに指摘されたことは一度もない。常識的音量なら問題ないと思われる。

他のレビューを書いてる方も言われているが、音としてはEX600よりはEX1000に近い音が鳴るような気がする。
自前で持っていないのであまり断言も出来ないが、両機を試聴し、800STと比較してみると、
600はイヤホン自体のキャラクターが強いイヤホンであると言える。まーEX700SLほどじゃないが。アレはやばかった。
1000のような素直な音が鳴ると思う。
だからといって1000と同じ音かというとそれもまたちょいと違う気がする。
その辺はお財布と音質の好みと相談するよろし。

次に装着感について。
イヤーハンガーを耳に掛けて、背中にケーブルを流すというスタイルだが、これがなかなかよろしい。
イヤホンのぶれがなく、安定している。動き回っても安心だ。ステージ上で音響技師が動くことを想定しているからだろう。
背中に回すのでケーブルも邪魔にならない。
町中歩きながら聞くにはいいんじゃないかな。ぶれないし。ずれないし。
ただ、ケーブルがちょっと長いな。もう10cmくらい短いと良かった。短いケーブルはEX600/1000用にあるがあれはソケットがプラスチックだから強度面に不安がある。SONYさん同じ仕様で短いの出してくれませんかね。

俺としてはかなり満足できるシロモノである。
家で使って良し、外で使って良し。外で使って万が一断線してもケーブルだけの調達ができるので長く使える。
値段相応かそれ以上のスペックは備えていると断言できる。
ハイエンドイヤホンが気になっている人は試す価値あると思う。あとSONYサウンドを愛する方々にも。
一度お試しあれ。





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